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Q&A

問1:牛たちは、原発事故がなくても、結局家畜として殺される運命にあるのに、なぜ牛たちを救うのですか?

答1:この地域の農家の方々は、出荷するまで牛達を非常に大事に育てています。【人の命をつなぐため】という非常に重大な理由がある時だけ、牛を殺すことに同意します。伝染病でもないのに、むやみに殺すことは福島の人への差別を助長するとも考えられてきました。

確かに、震災直後の大混乱期は、人命優先のためなかなか救出が難しい場面が多くありましたが、その後は柵内放牧という手法を取ることで生かせることがわかり、余力のある人たちが中心となって、助け合って生かしてきました。

弱い存在である動物が苦しむことに痛みを感じる人々は、農家さんたち以外にも、この地域には多く、彼らの気持ちと力で牛は生かされてきました。

そして、牛たちが農地を保全する力がハンパないことも分かったため、被災を乗り越え、農地を保全する役目を負って生涯活躍してもらいたいと思っています。

問2:放射能に汚染された草を、牛にあげるのは、牛への虐待ではないのですか?

答2:全く汚染されていない草を家畜にあげることができれば、ベストです。しかし実際には、この区域では2つの選択しか許されていません;殺すか、立入制限区域内で生きるかです。政府は家畜を立入制限区域の外へ出すことを禁止しており、外部から大量の餌が毎日供給されなければ、制限区域内に自生する青草を最大限利用するしかありません。
なぜならば、彼らは、大きなトラック一台分の草を一日で食べるからです。それを外部から供給するには、トラックとドライバーとスタッフと燃料も必要です。現時点では、日本内外でそれができる人はいません。もし可能ならば、この区域で餓死しそうになっている、他の農家の牛たちを救うことに使いたいと思っています。

なぜなら、「汚染された」という草を食べることによる死のリスクはほとんど無いと言えるからです。
この区域における草の放射線量は、1キロあたり10-20ベクレル程度にまで落ちています。この水準は、日本で人の食料に課されるレベルである、1キロあたり100ベクレルより低く、IAEAによって計測される国際食料基準、「一生食べ続けてもガンになる確率に影響しない」レベルと言われています。なお、米国の食料基準は1キロあたり1,200ベクレル、EUでは1キロあたり1,250ベクレルです。
ここの水の汚染は、ND(検出されず)です。これも国際基準の最低値である10ベクレルよりずっと低い値です。

もーもーガーデンは、今年から帰還可能になった2地域の間に位置し、帰還困難区域としては非常に低いレベルと言われています。
ここの、この程度の線量の草を牛に食べさせることを虐待だとは、私たちは考えていません。
私たちの牛はストレスフリーな環境の中でのんびり生きて健康的ですので、49年以上生きてギネスブック記録を更新してほしいと思っています。

問3:このガーデンを運営しているのは誰ですか?寄付金はどこに行くのでしょうか?

答3:代表を含むスタッフたち(地元の方々から双葉郡の方々、福島県内の方々、遠く日本中からのボランティア。代表谷も含めて2018年時点で全員無報酬です。)とここの土地所有者たちからなる非営利型一般社団法人「ふるさとと心を守る友の会」が運営しています。代表は自分と牛たちのため、塾やコンビニで働いています。
寄付金は、牛の冬の食料とその運搬費、牛の餌場として拡張している柵の資材購入費、ソーラーパネル維持費や、水汲み燃料等の費用として使われます。

問4:もーもーガーデンでのボランティアはできますか?

答4:はい。可能です。ボランティア内容につきましては、[活動サポート]のページをご覧ください。もーもーガーデンは帰還困難区域内にあるため、お名前と、緊急連絡先(携帯電話番号)などをもーもーガーデンでお預かりし、役場への許可申請が必要となります。(この情報は役場への申請に必要であり、そのためにのみ用います。尚、15歳未満の方や妊娠されている方は、立入りをご遠慮いただいております。)

問5:防護服を着る必要はありますか?

答5:役場は、帰還困難区域への立入は、長袖長ズボンと帽子を義務付けています。作業着か、防護服を推奨します。

問6:放射線量はどの程度ですか?

答6:平均0.5μSv毎時です(0.2-0.7μSv/h)
(以下はあくまでご参考までに…)
2,400μSv:人が一年に受ける自然被ばくの世界平均値
2,100μSv:日本における平均値
190μSv:東京からニューヨークまでの飛行機移動
2,200-12,900μSv:CTスキャンによる医療被曝
(UNSCEAR, 2008年報告による)

※川からの風によって守られる形で、当地が放射能で汚染されにくかったと地元の人は言います。
帰還困難区域のうち、もーもーガーデンのレベルは奇跡的に低いと言われています。

問7:混ざって出荷されないか?

答7:混ざって出荷は不可能です。その意思もありません。
もーもーガーデンの11頭も含め、旧警戒区域内の生き残った牛には全頭に耳タグがつけられています。これは、日本が世界に誇る【耳標管理システム】で、間違った出荷・と畜ができないようになっています。食のルートに乗ることはあり得ません。
また、警戒区域内の生かす家畜(牛・馬・羊・ヤギ等)に福島県家畜保健衛生所が付けた【おうし座の焼印】、家畜保健所による定期検診も等、何重もの制限でそれを不可能にしています。

もーもーガーデンは帰還困難区域のバリケードの中にあるため、物理的にも不可能です。既に血中セシウム濃度も下がり人が食べても問題ないレベルには下がっていますが、出荷する意思は全くありません。また、出荷しないという誓約書も県に提出しています。これを破ると重い罰則があります。

~牛の飼養管理について~
・国の指示を遵守しています。
・【耳標、おうし座のマーク、頭数コントロール(去勢等)、他地域への移動禁止】を全頭実施して、出荷できないようになっています。
・生涯この地の草刈りの任務を果たす「役牛」として(トラクターの普及する70年前まで、数千年続いてきたように)大活躍してもらう予定です。